ここは評価が真っ二つに割れるお店です。
当時東京で流行していた「海の家の浜焼きスタイル」を金沢にいち早く取り入れ、新鮮な魚介類を安く提供することで新規開店と同時に話題となり、一躍片町の人気居酒屋になりました。
ただ、注目を集めすぎていろんな事実も早い段階で明らかになりました。まずひとつが接客の荒さ。椅子の位置を足で直すことなんて日常茶飯事で、店員同士の怒号が普通に飛び交う。
「○○(客の苗字。既にこの段階でさん付けでない。)4名で予約ぅ?そんなの入ってねえよ。おいおい客入れんなよ!!」
う~ん、荒っぽい。漁師風の接客を演出しているのかしら。一般的な接客とはかけ離れているものがあり、ある意味新鮮です。
二つ目が提供の遅さ。壁に「せっかちさんお断り」という注意書きで牽制するほどです。よっぽど今まで遅くてクレームを付けられたんでしょうね。
お店の名誉のために言いますが、浜焼きなど素材をそのまんま出すものは普通。手のかかる一品料理は遅い。そんな感じです。
時間に余裕のない場合は、そのあたりを考えてオーダーする必要があります。
三つ目はオリジナルルールを客に押し付けること。基本的にオーダーは自分で紙に書いて注文箱に入れます。店員さんを呼び止めてはいけません。
お会計はテーブル会計(ここだけ一流店)。空いたグラスや食器を下げるように促してもいけません。店員さんが頃合いを見て自主的に下げてくれます。
また、締めのサービスのあら汁を途中で頼んではいけません。断られたお客さんをたくさん見ました。
とまあいろんなことを書きましたが、私的には“あり”なお店です。例えば貴重な肝がドカンと入ったこのカワハギのお刺身が1,800円(訪問当時)と驚き価格。
カワハギ丸々のお刺身なんて、片町界隈では3千円は下らないでしょう。東京では肝を刺身で食べさせてくれるお店なんてかなりレアな部類に入ります。
高級魚ののど黒の刺身や塩焼きも他のお店よりかなり安いです。
そんな風に新鮮な海産物を安く食べるためと割り切ることができれば楽しめます。でも万人にはおすすめできないですね。
観光で来る場合、地元の方との触れ合いも楽しみの一つなので残念な思い出になってしまうかもしれません。金沢で味・料金・接客で一番バランスが良いのは、個人的には「いたる」だと思います。
川端鮮魚店は上記に挙げた我慢ポイントをクリアできる方だけ行ったほうがいいです。ただ、事前情報がないと困惑しちゃうようなお店ですけど、予習してあらかじめ心構えが出来ていれば意外と何とかなりますよ。
川端鮮魚店
石川県金沢市片町2-2-20 木谷ビル2F